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私はグラスを傾け、ジュースを少し口に含んだ。
濃い柑橘類の酸味とハチミツのとろみが、尖った神経をやんわりと包み込む。
だがこのジュースの飲み頃は、まだ先。
グラス八分目ほどの濃厚なジュースが、
溶けた氷でちょうど一杯になる頃まで、しばし待て。
私は、冷たいグラスを片手に少しだけ気分を入れ替え、
仕事部屋に戻って行った。
デスクに戻ると、すぐ昨日の続きをパソコンの画面に呼び出し、
栞を挟んであった原書をパソコン脇のブックホルダーに広げた。
しかし視線は、自然と目の前の窓の向こうに広がる緑へと向いていく。
そして、ちょっとぼんやりと考える。
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