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扉が開くと、一気に冷たく乾いた風が体を包む。
「…っさむっ…」
思わず声が漏れた。
会社から一番近くのコンビニにお昼ご飯を買いに外に出た私。
今日はランチに行ってる程、のんびり出来る時間がない…...
手早く食べれるパンと紙パックのジュースを買って
パンを左手、右手にマウス、顔はパソコン画面を向いて作業しないと、明日の休みが返上だ。
「…田中がミスしなかったら…」
寒くて腕組みして、猫背気味になりながら
足を早める。
長い黒髪が強風で宙を舞い、うっとおしくて顔をブルンと振った。
「高塚さぁんっ!」
呼び止められ振り返ると同じ会社の数人の女子社員。
前を見ると、ちょうど信号が赤に変わり
縮こまりながら彼女達が近づいて来るのを待った。
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