simulation.2

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「あー、なんで?」 『まぁまぁ、とりあえずウチに来てくださいよ』 朝っぱらから1つ下の後輩に電話で起こされ、なぜか家に誘われて。 今6時だよ。 休みなんだから寝かせろ。 「こんな早くから倉松の家に行って、俺になんのメリットが?」 『来ればわかります。じゃあ待ってますんで』 ヒトの返事も聞かずに切りやがった。 「……あー、寝直してー」 ここでもう一度寝たら気持ちいいんだろうな。 でも倉松の家に行かないことには、延々と電話がかかってくるんだろう。 なんでこんなどうでもいいことにコイツは力を発揮するんだ。 そのやる気を仕事で発揮しろよ。 「そういえば家知らないな」 着替えつつそんなことをつぶやいていると、メッセージが入ってきて。 どうせ倉松だろうとそれを見てみれば、送られてきたのはアイツの家のある場所の地図。 もう、何をどうつっこんでいいのかわからない。 何せこれでもかとばかりに絵文字が使用されてるから。 お前…そんなキャラじゃないだろ… 少し鳥肌が立ったのは、きっと寒いからじゃない。 それにしても、地図を見る限りじゃここから案外近いな。 歩いて行けそう。 「あー…眠い…」 今は二言目にはそれしか出てこない。 寝たことは寝たけど、ゆっくり寝るつもりだったから昨日は酒飲んだんだよな。 こんなことなら昨日会った時に言ってくれたらよかったのに。
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