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「あー、なんで?」
『まぁまぁ、とりあえずウチに来てくださいよ』
朝っぱらから1つ下の後輩に電話で起こされ、なぜか家に誘われて。
今6時だよ。
休みなんだから寝かせろ。
「こんな早くから倉松の家に行って、俺になんのメリットが?」
『来ればわかります。じゃあ待ってますんで』
ヒトの返事も聞かずに切りやがった。
「……あー、寝直してー」
ここでもう一度寝たら気持ちいいんだろうな。
でも倉松の家に行かないことには、延々と電話がかかってくるんだろう。
なんでこんなどうでもいいことにコイツは力を発揮するんだ。
そのやる気を仕事で発揮しろよ。
「そういえば家知らないな」
着替えつつそんなことをつぶやいていると、メッセージが入ってきて。
どうせ倉松だろうとそれを見てみれば、送られてきたのはアイツの家のある場所の地図。
もう、何をどうつっこんでいいのかわからない。
何せこれでもかとばかりに絵文字が使用されてるから。
お前…そんなキャラじゃないだろ…
少し鳥肌が立ったのは、きっと寒いからじゃない。
それにしても、地図を見る限りじゃここから案外近いな。
歩いて行けそう。
「あー…眠い…」
今は二言目にはそれしか出てこない。
寝たことは寝たけど、ゆっくり寝るつもりだったから昨日は酒飲んだんだよな。
こんなことなら昨日会った時に言ってくれたらよかったのに。
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