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もう、今から帰ったって寝ることはできないだろうけど。
それでも、ここにいてムダに疲労するよりマシだと思う。
「ダメです、理人が寝たということは話は聞いてないと察します」
「あー、呼び出された理由は聞いてないな」
聞かなくていいと思うんだ。
ぜったい、くだらないことのような気がするし。
「呼び出したのはですね、今から桜花と恋愛してもらうためです」
おうか、って誰だ?
「………うん、殴っていい?」
というか、やっぱりくだらない用件だった。
「女子を殴るの!?」
「イヤ、殴るのは倉松なんだけど」
そのリアクションに殴る気力を殺がれる。
「あぁ、それならエンリョなくどうぞ」
そんなことを言われてできるわけがない。
なんなんだよ、恋愛してもらうって。
倉松と、このゆあって子がすればいいじゃないか。
いい迷惑だし、でっかいお世話だ。
「…ていうか、弓愛早く入れ」
その子の後ろにまだ誰かいたようで、不機嫌そうな声が聞こえる。
「あら、桜花さんなぜまだそんなところに」
「あんたがそこから一歩も動かないからでしょ」
「ささ、お入りになって」
「さも自分の部屋のように招き入れるな」
2人の言い合い?
的な話を聞いてると、あんまり寝てないせいかさらに疲労感に襲われて。
やっぱり気にせず帰ればよかった。
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