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「あ、どーも、初めまして」
そこは礼儀として挨拶をするけど、ゆあ…だっけ?
俺の横を通って倉松の側へ。
「はじめま…」
「理人、起きろ」
もう1人の子の言葉をさえぎり、鳩尾を踏んでいる。
痛そうだが、倉松って意外と筋肉あるんだよな。
「弓愛さん、それはやりすぎじゃ…」
「あー、鍛えてるからこのくらい痛くもなんともないわ」
それを知っているということは、この子は倉松のなんなんだろう?
彼女、とかではなさそうだけど。
この間も自分でゲームに生きている人間だと、目を輝かせて言っていたし。
関係性がわからん。
「キミも変なことに巻き込まれた感じ?」
とりあえず、そんなことをされても起きないヤツを見ながら、誰だっけ…まぁ、もう1人の子に話しかける。
「巻き込まれたというか、今逃げ道を探しているところです」
あ、この子、まともな子だ。
きっと俺と同じように、朝から叩き起こされたに違いない。
全身で迷惑だと語っているようだ。
そして、何かを閃いたみたいで。
「すみません、帰って寝直すのであたしはこれで」
それは逃げ道ではなくて、単に逃亡だと思う。
でもそれには俺も賛成したい。
「いいね、それ。俺も一緒に帰っていい?」
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