simulation.2

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「あ、どーも、初めまして」 そこは礼儀として挨拶をするけど、ゆあ…だっけ? 俺の横を通って倉松の側へ。 「はじめま…」 「理人、起きろ」 もう1人の子の言葉をさえぎり、鳩尾を踏んでいる。 痛そうだが、倉松って意外と筋肉あるんだよな。 「弓愛さん、それはやりすぎじゃ…」 「あー、鍛えてるからこのくらい痛くもなんともないわ」 それを知っているということは、この子は倉松のなんなんだろう? 彼女、とかではなさそうだけど。 この間も自分でゲームに生きている人間だと、目を輝かせて言っていたし。 関係性がわからん。 「キミも変なことに巻き込まれた感じ?」 とりあえず、そんなことをされても起きないヤツを見ながら、誰だっけ…まぁ、もう1人の子に話しかける。 「巻き込まれたというか、今逃げ道を探しているところです」 あ、この子、まともな子だ。 きっと俺と同じように、朝から叩き起こされたに違いない。 全身で迷惑だと語っているようだ。 そして、何かを閃いたみたいで。 「すみません、帰って寝直すのであたしはこれで」 それは逃げ道ではなくて、単に逃亡だと思う。 でもそれには俺も賛成したい。 「いいね、それ。俺も一緒に帰っていい?」
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