simulation.2

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「桜花さん、帰しはしなくてよ」 「もうあんた、キャラ統一しろよ」 「……あれ?弓愛がいる」 起きたらしい倉松は、まだ踏みつけられていて。 寝ぼけるのはいいけど、踏まれていることにつっこみ入れろよ。 「倉松、俺帰るからな」 「センパイ、帰らせません」 数分しか寝てないんだから、すぐに覚醒しなくていい。 「理人のセンパイなの?」 「……真殿響、倉松と同じ会社です」 めんどくさいけど、自己紹介は必要かなと思い言うけれど。 倉松以外知らないし、たとえこの場限りだとしても。 「理人の幼なじみの弓愛と申します」 「…不本意ながら弓愛の親友らしい天見桜花です」 なんか曖昧なんだけど。 ホントにイヤそうなオーラ?っていうの? めちゃくちゃ出てるから。 「簡潔に話をすると、この恋愛シミュレーションゲームのように2人に恋愛をしてもらって、恋愛ってなんだと言う弓愛の疑問を解決しようと思う所存です」 「倉松、もう寝ろ」 「一生起きなくて構いません」 歯に衣着せぬモノ言いだけど、そこは激しく同感だ。 何が楽しくてそんなことをしなければいけないのか。 俺もこの子もいい迷惑。 「だからそれは、弓愛と理人さんがすればいいでしょ。ヒトを巻き込むのやめろ」 「自分達はお互いを知りすぎていて、これ以上の発展はありえません」
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