simulation.2

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「でもその変わり、一緒に暮らすなんてことはしないからね」 「え?王道ですよ?」 「いくら王道でも、それはゲームの中での話だろ」 俺も納得はできないけれど、天見さんの意見には賛成だから話を進める。 これで帰ってゆっくり寝れると思うんだ。 「わかりました、そこは百歩譲ってやめましょう」 普通に考えてできないことを譲るな。 そんなことを思いつく前に、常識を身につけてほしいよ。 「では、これからデートをしてもらいます」 「まぁ、待てや、倉松」 寝てないくせになんでこんな生き生きしてんだ。 「知り合ったばっかりでそんなことできるわけないだろ」 「そうよ、それにあたし遅番だからそんな時間ない」 「桜花さん、今日は日曜ですよ?」 「世の中、土日祝日が全員休みだと思うな?」 胸倉を掴みそうな勢いで詰め寄って低い声。 「そういう事情もあるんだから、今日はお互いの連絡先を交換で、それで解散でいいだろ」 「仕方ないわね、次の休みにデートをするから」 「弓愛さん?あたしはここのみなさんと一生休みは合わないわよ?」 わかってるでしょ?という雰囲気でさらに詰め寄ってるけど、やっぱり気にしてない。 「どうとでもなります」 「……もうスキにして」 結局、ほぼ全てに関して俺と天見さんが折れるしかなくて。 連絡先を交換して、ここは解散となったけれど。 倉松と知り合ったことを恨みたくなった。
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