simulation.1

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「日曜の朝っぱらから呼び出して、なんの用?」 「桜花、朗報よ」 イヤ、あたしはなんでこんな時間から呼び出されなきゃいけないのか、そこのところを聞いたんだけど。 朗報なんて、どうでもいい。 帰って寝直したいくらいだわ。 「弓愛さん?あたしはね、日曜の朝7時に呼び出された理由を聞きたいわけですよ」 「朗報なんですよ?聞かなきゃソンです」 …ダメだ、なんか輝いてるから話になんない。 誰か、コイツの暴走を止めて。 「桜花に彼氏を紹介するわ」 「はぁ?あんたいつの間に彼氏なんて作ったの?」 「え?私そんなモノ作ってないけど?」 話って言うのはね? 噛み合ってこそ話なんだよ。 「あぁ、言い間違った、桜花の彼氏を紹介するって言いたかったの」 「なんかおかしいだろ、それ」 冷静に返しはしたけど、よく考えなくてもこの親友サマはおかしいことを言ってる。 もしかして、親友と思うことって間違ってるのかな。 「あら、だって、彼氏いない歴何年よ?」 「あんたに言われたくないわ」 どこか勝ち誇った顔をしてるけども。 彼氏いない歴イコール年齢なクセに。
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