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「あ、そうだ、こんな時間になってごめんなさい」
「イヤ、謝るのはこっちだから。仕事お疲れ様」
やっぱり休日に休みを取ることは難しくて、珍しく早番だった今日の日曜日。
弓愛に毎日職場に押しかけられて粘られたら、今日のことを言うしかなくて。
ホント、ずっと黙ってようと思ったのに。
この分だと、平日のあたしの休みに、何か予定を入れそう。
「真殿さんは、今日は予定とかあったんじゃないですか?」
「予定は午前中だけだったんだ。まぁ、気にしなくていいよ」
ヤツらと関わってしまったために、いろいろと諦めたみたいな表情。
ドンマイ、真殿さん。
いつかコレを受け入れてしまう日が来るよ。
「お、これなんだ?」
何かを発見して水槽に近寄るけれど。
イヤ、近い!
これ以上ムリ!
「ん?どうした?」
強張って無意識に握られている手に力が入ったみたいで。
ソレに気づいた真殿さんが振り向いてくる。
「…イエ、あたしはここから見てますから、どうぞ近くに行ってゆっくり見てください」
「なんで?一緒に見ない?」
そうだよね、普通に疑問だよね。
だけど、お願いだから何も聞かないで。
「真殿さん、ごめんなさい、ちょっと桜花お借りしますね」
どうしようか悩んでいると、横からひょっこり弓愛が現れて。
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