simulation.3

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「あ、天見さん」 「すみません、お待たせしましたか?」 立っているのに気づかれて。 理人さんは素早く姿を消す。 バレてはいけない、みたいな感じでどこかに行ったけど、バレてるからね? 「このあとイルカショーあるみたいだけど、見てる時間はなさそうだからお土産見に行こうか」 「あ、ハイ」 再び手を繋がれついて行くしかない。 まぁ、一刻も早くここから出たいあたしにとったら、好都合だけど。 イルカショーとか見に行って、何かあったら大変だし。 一番前とかに連れて行かれたら、きっと死ぬよ。 「楽しめましたか?」 「んー、倉松達がいなければ、もうちょっと楽しめたかも」 「確かに邪魔でしたね」 助かったことも否めないけど。 唯一楽しめたのは、お土産コーナー。 もう一生来ることはないだろうから、記念に何を買おうか悩んでいると、真殿さんにクスクスと笑われる。 「すっごい真剣になるほど?」 「え、だって、ぬいぐるみか置物か悩みませんか?」 どっちかでいいんだよ。 両方買えば済む話なんだけど、そういう問題ではないんだよね。 「どっちも選ぶって選択肢は…」 「ないですね。1つでいいんです、今日の記念に」 「そっか、じゃあ、ぬいぐるみにすれば?」
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