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水族館デートのあと、シナリオではホテルに行きホテルのバーで飲んで、そのまま上に取った部屋に行く、というもの。
まぁ実際は、その水族館の近くにあったファミレスに行ったんだけれども。
なんで、出会って2日足らずのヒトと、夜景のキレイなホテルに行かなければいけないのか。
イヤ、夜景は見てみたかったけど。
そんな気分でもないし、そういうことをいっさい考えてなくて、周囲から言われるのはただキツいだけ。
それに、相手にも失礼だ。
あのデートから3日後。
仕事終わりに呼び出されたのは、少しこじゃれたカフェ。
そこにいたのは、さっきまで一緒に仕事をしていたはずの倉松と、その幼なじみの弓愛ちゃん。
傍から見るに、この2人仲いいんだから、自分達ですればいいことなのに。
よく知りもしない他人を巻き込むなよ。
「遅いですよ、センパイ」
「俺は残業があったんだ」
「お疲れ様です」
席につくのは気が引けるなと思っていると、後ろから水を持って来た店員にそう言われて。
「え?あ、ここで働いてるんだ」
一応客なのに、ウンザリとした表情を見せる天見さん。
うん、わかるよ、今の気持ちが。
職場まで押しかけられるのは、すごくイヤだよな。
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