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「あぁ、桜花の実家って老舗の和菓子屋さんなのです」
「お兄ちゃんが継いでるからあたしには関係ないんですけど」
「和菓子?」
「みなさんが一度は口にしたことがあります」
一度はある?
そんなに有名な和菓子?
「あまみ和菓子、ですよ」
「もう、あたしんチの話はいいから。てか、仕事に戻るけど、変なこと企てないでよね」
そういえば天見さんは仕事中なんだっけ。
それより驚きなのは、天見さんがあの有名な和菓子屋のお嬢さんだったとは。
この間テレビで創業200年とかやってた気がする。
めちゃくちゃ生粋のお嬢様。
なのに、なんで本人はそんなカケラも見えないような性格なんだろう。
この間の短時間のデートでもわかるほど、天見さんは口も悪くて性格も難アリだった。
「それで?俺はなんで呼び出されたんだ?」
「ぜひ、桜花さんとパーティーに出席をしていただきたく」
「うん、なんでソレを倉松が言う?」
さっきのあの態度からして、確実に天見さんはそんなところには何があっても行きそうにない。
あの会話を聞いていてわからないほどバカじゃないだろう。
イヤ…バカだから、そんな提案してくるのか。
「なんでそんなあり得ないことを言ってくる?」
「センパイ、これは必要不可欠な要素なんですよ、ゲームでは」
「戻ってこい、現実世界に」
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