simulation.4

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「あぁ、桜花の実家って老舗の和菓子屋さんなのです」 「お兄ちゃんが継いでるからあたしには関係ないんですけど」 「和菓子?」 「みなさんが一度は口にしたことがあります」 一度はある? そんなに有名な和菓子? 「あまみ和菓子、ですよ」 「もう、あたしんチの話はいいから。てか、仕事に戻るけど、変なこと企てないでよね」 そういえば天見さんは仕事中なんだっけ。 それより驚きなのは、天見さんがあの有名な和菓子屋のお嬢さんだったとは。 この間テレビで創業200年とかやってた気がする。 めちゃくちゃ生粋のお嬢様。 なのに、なんで本人はそんなカケラも見えないような性格なんだろう。 この間の短時間のデートでもわかるほど、天見さんは口も悪くて性格も難アリだった。 「それで?俺はなんで呼び出されたんだ?」 「ぜひ、桜花さんとパーティーに出席をしていただきたく」 「うん、なんでソレを倉松が言う?」 さっきのあの態度からして、確実に天見さんはそんなところには何があっても行きそうにない。 あの会話を聞いていてわからないほどバカじゃないだろう。 イヤ…バカだから、そんな提案してくるのか。 「なんでそんなあり得ないことを言ってくる?」 「センパイ、これは必要不可欠な要素なんですよ、ゲームでは」 「戻ってこい、現実世界に」
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