simulation.1

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「なので考えました」 「何を」 「目の前でリアルに恋愛してもらおうと」 だからさ、なんで自分達でやろうとしない? 「それにはモニターが必要となりました。そこで選ばれたのが桜花なんです」 「あんた、友達いないもんね」 やめたくなるわ、ホントに、友達を。 「で、今から彼氏に会ってもらいます」 「──はぁ?」 「行きましょう、隣に」 「待て待て、誰が会うと言った?」 話は聞いたけど、誰もじゃあ会ってみます、なんて言ってない。 「勝手に話を進めるな」 「会ってくれないの…?」 そんな寂しそうな顔してもムダだから。 しかも別にカワイくないし。 「あんたに貸しもなければ、そのヒトに会う義理もない」 「え~、いいから会ってみてよ、イケメンかもよ?」 「かもよ…って、知らないのかよ」 ヒトに紹介する前に、自分がとりあえず会うっていうのが常識じゃない? え?あたし間違ってないよね? 「だってこの話決まったの、夜中っていうか朝方ですもん」 ですもんって、だからカワイくないって。 「寝てない妙なテンションで決められた話に、ハイそうですかってすんなり会いに行けると思う?」 「寝たよ、夜中に起きて理人の部屋に行ったの」 「あー…そう…」
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