simulation.5

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そう、今日はあたしの誕生日。 27にもなってこんな盛大に誕生日パーティなんて開かれたくない。 今まではなんとかごまかしてやらなくて済んでたんだけど。 「あまり祝われたくないですけどね」 苦笑いを浮かべると、ポンポンと頭をたたいてくる。 「真殿さん…」 「寒くなってきたから中に入ろう。アイツら逆に心配だし」 「そうですね」 中庭のベンチに避難というか逃げてきてたというか… とにかくいろいろめんどくさくて外にいたんだけど。 出てくる時に見た弓愛は理人さんと食事に夢中になってた。 周りのヒトがドン引きするほどの食べっぷりで。 場違いとか、ここではこういうマナーとか、いっさい気にしてないんだろうな。 ある意味、2人がうらやましいよ。 「真殿さんも食事楽しんでください。両親のせいであまり食べれてないですよね、さっき」 「バレてたか。実はちょっと緊張しててね」 「ごめんなさい、ウソだって言えなくて」 婚約の話はウソだったとしても、あたしが誰かを家に連れて行くことが初めてのことだったために、両親に口を挟むことができなかった。 話しかけようとしても、ずっと真殿さんに夢中で。 一緒にいたハズの弓愛達は振り向いた時には、すでに遠くで何かを食べてた。 で、結局ズルズル言えないまま、今の時間になっちゃったという。
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