80人が本棚に入れています
本棚に追加
/65ページ
「まぁ、それは謝らなくていいよ」
「でも、ホントにつきあってるわけじゃないのに…」
「いっそのこと、つきあっちゃおうか?」
ニコニコと笑いながらの言葉に、歩いていた足も止まる。
…ついに、2人に振り回されて毒牙にかかってしまったんだろうか。
理人さんは知らないけど、弓愛はほぼ毎日連絡をしてくる。
早くスキになれとか、早くつきあえとか。
まぁ、そんな連絡、一方的に切ってやるけど。
「今なら親公認だし?」
「…ホンキで言ってるんですか?」
「どっちだと思う?」
なんで聞いてくるのよ。
もちろんウソだと思いたい。
だけど、ホントにホンキなんだったら、マジメに答えなくちゃならないから。
これだから、恋愛はキライなんだよ。
自分がキズつくのは別にいい。
けど、断るっていうことは相手もキズつけるということで。
こっちは真剣に悩んでるっていうのに、真殿さんは楽しそうに笑ってるし。
なんか、ムカつく。
「…そうですね、これを機につきあってみますか?」
「え?ホンキ?」
「先に言ったのは真殿さんです」
あ、ホラ、やっぱりウソだった。
あたしの言葉にキョトンとした顔してる。
「うん、まぁ、そうだけど…」
「思ってもないことは言っちゃダメですよ。もしどこかであの2人が聞いてたらつけ上がります」
最初のコメントを投稿しよう!