simulation.5

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ホントに聞かれてたら、なんでそうなったか根掘り葉掘り聞いてきそう。 恋愛のなんたるかってヤツを。 そんな、考えなくてもめんどくさい。 「あの2人の毒牙にかかっちゃダメですよ」 再び歩き出して言えば、真殿さんは苦笑いを浮かべる。 わかるよ? 毎日毎日おんなじこと聞いてたらうんざりするし、もういっそって思うこともないことはない。 だけど、そうしないのはなんか癪だし、言いなりになってる感じでなんかイヤだ。 「じゃあ、まぁ、今日は偽彼氏として、あと数時間がんばるよ」 「すみません、ウチの家族バカで…」 泣きたくなる。 関係ないヒトを巻き込んでしまったことに。 真殿さんは笑顔で大丈夫って言ってくれるけど。 なぜ、こんなイイヒトが売れ残り物件なんだろう。 普通にそこは首を傾げて悩むところだ。 「イヤ、いいご家族だと思うよ?」 「…そうですかね」 「他人から見ればわかることだよ」 「はぁ、そうなんですか」 生返事になってしまう、いい家族とは思えないし。 まぁ、誰しも他人の前で外面を外すわけないもの。 知らなくて当たり前。 それは自分のことだってそうだと思うし。 「とりあえず、中でいっぱい食べてくださいね。あたしは少し部屋に戻ります」
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