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中に入ってその場で別れて、自分の部屋に戻った。
だって、あのまま一緒にいたら、あたしの今までの何かが崩れていきそうで…
その何かっていうのは、自分でもよくわからないけれど。
何もない自分の部屋にいたってすることもないんだけど、考えをまとめることはできる。
さっき、真殿さんに言われた時、それでもいいかなって思ってしまった。
だけど、素直に受け止めれなかったのは、まぁ…弓愛達のこともあるんだけど自分自身の問題。
でも、流されてるだけじゃダメなんだよ。
それをたぶん真殿さんも気づいてくれてる。
あのヒトは、あたしのことを見抜いてる気がした。
数えるくらいしか会ったことないのに。
「桜花?いるの?」
コンコンとノックする音がして、すぐに弓愛の声。
なんだろう、心配して来たとかじゃないだろうけど。
「何?」
「そろそろ帰ろうかと思うんだけど」
ドアを開ければ、すっごい満足そうな弓愛とよくわからない顔をしている理人さんが。
真殿さんの姿はない。
「送れないけど大丈夫?」
「だぁいじょーぶ、理人もいるし運転手さんが送ってくれるって」
あ、弓愛のヤツ、酔ってる。
よく見なくても理人さん、フラフラしてるし。
ここぞとばかりに飲んだんだろう。
別にいいけど。
「まぁ、気をつけて」
「また連絡するー」
するな。
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