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帰って行く2人をその場で見送って。
だけど、いつまでもここにいるわけにはいかないし、何より真殿さんが心配。
家族に捉まってなければいいけど。
会場に行けば、家族ではないけれど誰かと話している真殿さん。
知り合いでもいたのかな。
「真殿さん、弓愛達帰りましたよ」
話しかけるのを迷ったけど、そういうわけにはいかないと声をかけた。
あたしだって、そろそろ帰りたい。
「あぁ、さっき言ってたね」
「この度はお誕生日おめでとうございます」
真殿さんに続いてお祝いの言葉を言ってくれるこの男のヒトは誰だろう?
わからずに小さく首を傾げれば、真殿さんは微笑。
「ウチの社長だよ。まさかここで会うとは思わなくて、だから倉松もさっさと帰ったんだ」
「そうなんですか、いつもお世話になってます。ありがとうございます」
笑顔でお礼を言うけれど、このヒトとはこの先きっと関わりはない。
だから、名前を聞かなかった。
「では社長、そろそろ帰ります」
「ごゆっくりしてくださいね」
もうそろそろいい時間。
なのであたしが帰っても何も言われないだろう。
近くにいた義姉さんに帰ることを言って、真殿さんと帰路についた。
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