simulation.5

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「今日はホントにすみません」 「そんな何度も謝らなくていいよ」 イヤ、どんだけ謝ったって足りないくらい。 あと感謝もしてる。 こんな茶番につきあってもらって。 ホント、弓愛達がわけわからないことをしなくて、普通に出会ってればスキになっていたかもしれない。 それだけ、優しいヒト。 だけど、出会いがアレだったから、なかなか恋愛対象にはならない。 「……じゃあ、次の日曜は俺につきあってもらおうかな、今日の借りを返すと思って」 「いいですよ、お礼はするつもりでしたし。あ、でも早番なんで仕事終わってからになりますが、いいですか?」 「俺も朝は予定あるから、仕事終わったら連絡して」 弓愛達にはこのこと黙っておかなくちゃ。 またついてくるに決まってるだろうし。 ホントに、めんどくさいことに巻き込まれたもんだわ。 自分達で手探りで恋愛すればいいのに。 「わかりました、連絡しますね」 そんなことを考えもしないんだろうな。 あくまでもゲームのように、第三者の目線で楽しみたいんだろう。 「あ、今さらだけど、ドレス姿かわいいよ」 「……へ?」 「こんなかわいい姿見れてラッキーだったよ、じゃあ桜花、また来週」 耳元でささやくように言われて放心状態のあたしを残して、真殿さんは笑顔で帰っていった。
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