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「今日はホントにすみません」
「そんな何度も謝らなくていいよ」
イヤ、どんだけ謝ったって足りないくらい。
あと感謝もしてる。
こんな茶番につきあってもらって。
ホント、弓愛達がわけわからないことをしなくて、普通に出会ってればスキになっていたかもしれない。
それだけ、優しいヒト。
だけど、出会いがアレだったから、なかなか恋愛対象にはならない。
「……じゃあ、次の日曜は俺につきあってもらおうかな、今日の借りを返すと思って」
「いいですよ、お礼はするつもりでしたし。あ、でも早番なんで仕事終わってからになりますが、いいですか?」
「俺も朝は予定あるから、仕事終わったら連絡して」
弓愛達にはこのこと黙っておかなくちゃ。
またついてくるに決まってるだろうし。
ホントに、めんどくさいことに巻き込まれたもんだわ。
自分達で手探りで恋愛すればいいのに。
「わかりました、連絡しますね」
そんなことを考えもしないんだろうな。
あくまでもゲームのように、第三者の目線で楽しみたいんだろう。
「あ、今さらだけど、ドレス姿かわいいよ」
「……へ?」
「こんなかわいい姿見れてラッキーだったよ、じゃあ桜花、また来週」
耳元でささやくように言われて放心状態のあたしを残して、真殿さんは笑顔で帰っていった。
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