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あのパーティから1週間経った。
今日は倉松達には内緒のデートの日だけど。
今、俺の目の前でミックスジュースを前に深刻な表情をしているこいつをどうにかしないことには、このあとのデートに行けるか微妙になってきているわけで。
なぜ、今日なのか。
昨日でもよかっただろうに。
「あのさ、俺このあと予定があるんだよ、用件があるなら早く話せ倉松」
急に呼び出すから元々あった予定もズラすことになったし、この分じゃ天見さんとの約束に間に合うかどうか。
彼女が何時上がりなのか聞いてないけど。
「……先週のパーティの記憶がアヤフヤなんです、何してたか教えてください」
「今さら聞くか?」
そもそも覚えてねぇよ。
一緒にいた時間なんてほぼなかっただろうが。
「弓愛ちゃんと一緒にずっと食べて飲んでた。そのあと社長見つけて逃げるように帰ったよ」
記憶なくすほど飲んでたかは疑問だけど。
まず、あの場所で記憶がなくなるまで飲むのは難しいことだろう。
「……弓愛と帰りました?」
「何?弓愛ちゃんと何かあったとか?」
そう聞き返せば、おもしろいくらいに肩をビクッと震わせて。
聞かなくてもわかる、何かがあったんだと。
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