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弓愛の思考についていけない。
まぁ、もともとついていく気なんかないけど。
そんな時間にお邪魔して、家族のヒト達は何も言わないのかしら。
幼なじみってそんなもの?
あたしにはいないからわからない。
「じゃあ、行きましょう」
「イヤ、だからさ…」
諦めるしかないのか?
「会ったらぜったい気に入るから」
「待って、見てないんでしょ?なんで言い切れる?」
「写真はなかったけど、こと細かく詳細を聞いた」
なんだ、それ…
話聞いただけで、そのヒトの特徴とかわかんないでしょ。
なのに気に入るとか、何を持ってそう思うのか。
もう、イヤだ。
会うだけ会って、ムリですって言ってさっさと帰ろう。
「相手も待ってるから早く行こう」
「ハイハイ…」
てかさ、そのヒトもこんな朝早くに呼び出されたんだ。
…可哀想に…
あたしはどっちかって言うと、慣れてる方だから。
弓愛に呼び出されること。
腕を引っ張られ、どこかへ向かうそれも…まぁ、慣れたことと言えば慣れたことなんだけどね。
とりあえず、だいたいあたしの意思はムシされる。
高校の時に初めて会った時からこう。
だからあんた友達いないんだよ。
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