simulation.6

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「真殿さんて正直ですね」 「え?そう?」 そんなことを言われたのは初めてかもしれない。 けれど、なぜか天見さんには隠さなくてもいいかなって。 「そうですよ、もしデートなら言っちゃダメだと思いますよ」 「あ、じゃあ失敗したな」 「なぜです?」 「今はデート中だから」 言えば天見さんは歩みを止める。 やっぱりデートって認識してなかったか。 それはそれで若干ヘコむんだけど。 「違った?」 「真殿さんがそう言うなら、あたしに異論はありません。なので、真殿さんの行きたいところに行きましょ」 ニコニコと言ってくれるその笑顔がカワイイ。 ちょっと待って、誰にも見せたくないんですけど。 彼氏でもないしスキでもないのに、そんなことを考えてしまう。 「…じゃあ、ちょっと行きたいところあるんだけど」 「ハイ、行きましょう」 そんなことを思ったことがバレないように一歩先を歩く。 わからないけど、テレてる気がするし。 こんなこと、今までの俺にはなかったな。 「どこへ行くんですか?」 「んー、買い物?」 行きたいところがあると言ったけれど、実際はほぼ考えてなくて。 天見さんはどこへでもついて来てくれそうな気はしたけど、敢えてそれは言わなかった。 言わなくても、なんとなく察してくれてそうな気がするし。
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