81人が本棚に入れています
本棚に追加
……アイツら、いったいなんなんだ。
マジでヒトをなんだと思ってやがる。
「どうした?」
優しく頭を撫でてくるのは、2人の報告に驚きもしていなかった真殿さん。
「……なんか、嬉しそうですね」
「え、だって、これで解放されると思うと嬉しくならない?」
「まぁ、確かにそれは嬉しいことですけど……」
だけど、心からそれを嬉しく思えないのは……
「弓愛に…」
「ん?」
「まさか弓愛に先を越されるなんて思いもしなかった!」
あたしの中にあるモヤモヤはまさにこれで。
イヤ、ホントに弓愛が結婚なんて一生ないと思ってたから。
「あー、確かにヒトに恋愛させて経緯を見ようとしてたヤツらだからね」
そこはなぜかウンウンと賛同してくれる。
「そう思うと倉松に越されたのムカつくな」
「そうでしょう?あの笑顔見ました?すっごいムカつくんです!」
「まぁまぁ、気持ちはわかるけど、ここはとりあえず抑えて」
落ち着いてなんかいられない!
けど、だからと言ってあたしにそんな相手がいるわけじゃなく。
あー…虚しい…
結局あたしには恋愛なんて、所詮手の届かないモノ。
あの2人が恋愛をしてたとか、そういうことじゃないのはわかってる。
きっと、パーティの日の夜、帰ったあとでヤルことヤッちゃったんだろうけど。
考えることもしたくない。
最初のコメントを投稿しよう!