simulation.1

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「着きましたよ」 「はっや!」 「あれ?隣って言わなかったっけ?」 いつも弓愛の話なんて聞いてないからなぁ。 だって、わかんないんだもん。 弓愛、隠す気なんてさらさらない、こうだと思ったら突っ走る腐女子だから。 だからってわけじゃないけど、いっさい話合わないのよね。 「お邪魔しまーす」 挨拶をして、返事もないのにズカズカと上がり込む。 なんだろう、自分チじゃないんだからさ、常識的にエンリョってモノを身につけようよ。 他人の家くらいさ。 「あれ?ユアちゃん、さっき帰らなかった?」 間違いなくこの家の住人だろう、大学生くらいの女の子。 勝手に上がってることに驚きもせず話している。 「おはようございます、朝早くからお邪魔してすみません」 「ユアちゃんの友達ってすっごい常識人なんだね」 ただ挨拶をしただけなのに、なんでそんなに驚かれる? 「リヒトの友達っぽいヒトもすっごいエンリョしてたけど」 「あ、来てる?」 「うん、イケメンだったよ~、たぶん」 あー、うん、きっとこの子ともあたし話合わないな。 タイプが弓愛っぽいし。 まぁ、これ以上会うことはないだろうから別にいいけど。 「たぶん?」 「メガネかけてなかったから見えなかった」 「なるほど。じゃあ理人の部屋行きましょう」 「ごゆっくり~」 ゆっくりなんてしない、すぐ帰ってやる。 などと思うけれど、ソレを顔に出しはしない。 弓愛と違って、周りの反応怖いですから。
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