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「りっひと~」
ノックもなしにヒトの部屋に入るなんて有り得ない。
「あ、キミがゆあ、さん?」
「誰?不法侵入?」
イヤ、それはあんただ。
自分のこと棚に上げて何を言ってるんだろう。
「倉松の知人なんだけど、ここに来たらすぐにコイツ寝たんだよね」
このヒト、自分で知人って言ったよ。
友人って言わない?普通…
わかった、このヒトも普通なヒトじゃないんだ。
「理人はホントに徹夜してたから、限界突破したんだね」
「…じゃあ、俺帰っていい?」
あ、そこは同意見。
あたしだって早く帰りたい。
だから早く部屋に入れて話をさせろって言いたいわ。
「ダメです、理人が寝たということは話は聞いてないと察します」
「あー、呼び出された理由は聞いてないな」
ですよね~。
聞かなくていいと思います。
「呼び出したのはですね、今から桜花と恋愛してもらうためです」
「………うん、殴っていい?」
「女子を殴るの!?」
あんた、女子って年齢じゃないでしょうが。
あー、心の中ですらつっこむのめんどくさくなってきた。
「イヤ、殴るのは倉松なんだけど」
「あぁ、それならエンリョなくどうぞ」
どうぞとニコニコと笑顔で言われて、ソレを実行なんかできやしない。
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