simulation.1

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「りっひと~」 ノックもなしにヒトの部屋に入るなんて有り得ない。 「あ、キミがゆあ、さん?」 「誰?不法侵入?」 イヤ、それはあんただ。 自分のこと棚に上げて何を言ってるんだろう。 「倉松の知人なんだけど、ここに来たらすぐにコイツ寝たんだよね」 このヒト、自分で知人って言ったよ。 友人って言わない?普通… わかった、このヒトも普通なヒトじゃないんだ。 「理人はホントに徹夜してたから、限界突破したんだね」 「…じゃあ、俺帰っていい?」 あ、そこは同意見。 あたしだって早く帰りたい。 だから早く部屋に入れて話をさせろって言いたいわ。 「ダメです、理人が寝たということは話は聞いてないと察します」 「あー、呼び出された理由は聞いてないな」 ですよね~。 聞かなくていいと思います。 「呼び出したのはですね、今から桜花と恋愛してもらうためです」 「………うん、殴っていい?」 「女子を殴るの!?」 あんた、女子って年齢じゃないでしょうが。 あー、心の中ですらつっこむのめんどくさくなってきた。 「イヤ、殴るのは倉松なんだけど」 「あぁ、それならエンリョなくどうぞ」 どうぞとニコニコと笑顔で言われて、ソレを実行なんかできやしない。
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