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「死んだか?」
鋼鉄のブーツが、こんじきの髪をつつく。
それは反応が無く、男はこんじきの頭にかかとをのせた。
グリグリと地面にねじ込むように頭を転がすと、ジャリ…と、固まった血と石だたみの摩擦する音が聞こえた。
「これで生きてたら大層な話です。脳天ブチ抜いてんスから」
ガゴンッ
男はそのこんじきの頭を力の限り蹴っ飛ばした。
鋼鉄のつま先が、赤黒く染まり、蹴飛ばしたそれは有らぬ方向を向いた。
「しかしたかが5人とは言え恐ろしいやつらでした。一体、うちら何人…いや何百人やられたかわかりません。まぁ、これでもう……ん?」
カハッ…ゲホ…ッ
「おっと、まだ1匹生きてやがった」
男は血へどを吐いた、銀髪の男にゆっくりと歩み寄りしゃがむと、その長めの髪を鷲掴みし、持ち上げた。
銀髪の男の頭からはおびただしい血が流れ、左目は固まった血で開かず、息をするのも精一杯のようだった。
かすむ視界、今にも飛びそうな意識、しかし力強く、前方に転がる"金色の男"を見つめた。
「あ?あぁ…"アレ"ならもう死んでるぜ。他の奴らもな。お前ももうすぐだよ。ッカハハ!」
男は高笑いすると、まるでゴミを投げるように銀髪の男を放った。
頭が地面に打ち付けられる、ゴッ…という鈍い音がした。
「女神に祈る時間をくれてやる」
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