久住蒼

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翌日朝に公園へ来たら………ご老人と子供しか居ないではないか。流石の俺でも老婦人や小さな女の子相手に緊張は…… ん? 良く考えたら俺って老婦人や小さな女の子相手にまともに喋れたっけ? 怪しい。 つか、俺のチキンって酷すぎるだろ。異性だと年齢問わず緊張して喋れないのかよ。 取り合えずあそこのベンチに居る老婦人へ喋り掛けてみるか。 「あ、あ、あの………………………い、い、良い天気ですね」 「何か言ったかい?耳が遠いので申し訳無いがもう一度言って貰えるかね?」 マジか!もう一度良い天気ですねと聞くなんて何の羞恥プレイだよ。 でもこれも練習だ。恥ずかしいなんて思ってたら本番の告白なんて到底無理だし。よし! 「(先程より大きめの声で)良い天気ですね」 「あーん?天気かい?今日は良い天気じゃね」 つ、通じた!言えた! 俺、やれば出来るじゃんか! 相手は老婦人だが。 産まれて初めての経験に俺は物凄く自信が湧いてきた。 もう一度言う。相手は老婦人だが。 それほどに俺は異性と喋れないのだ。 次は同世代の異性だな。 でも同世代なら好きな女以外とは喋りたくないな。浮気はしたくないし。 喋るくらい良いじゃんって? 俺が嫌なんだよ。 こんなに異性と喋れない俺だぞ?本番に備えて極力異性とは喋りたくないのが本音なのだ。 でも練習を兼ねてこれからは小さい女の子と老婦人には喋ってみようか。
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