極上のキミ。

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参ったな、衣装のままなのに。 「カノン」 爆睡だし。 俺はカノンの側に腰掛けた。 オフショルダーの衣装は、新曲のイメージからデザインされたもの。 首筋からデコルテが露になっている。 「……」 白くて綺麗で、美味しそう。 美味しそうではない。本当に美味なんだ、彼女は。 彼女の血は。 その味を思い出すと、目眩がする程に。 だって俺は、人間じゃないから。 気が付けば、俺の手はカノンの首筋に触れていた。 指先で柔肌をなぞれば、その温かさは、赤い血流に直結する。 ああ……噛み付いて、飲み干したい。 一滴残らず。 そうすれば俺の側で、彼女は永遠の美を手に入れられる。 俺はゆっくり身を屈めて、唇を彼女の首筋に寄せた。
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