奇妙な店

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 次の日の朝、激しい頭痛と共に目が覚めた。 「痛てて……完全に二日酔いだ」  時計を見ると午前9時20分。 「あっ、やばい! 会社に遅刻……はしないか。会社は辞めちゃったもんな」  ベッドから起き上がり、重い体を引きずりながらリビングへ移動し水を飲む。  少しだけ痛みが和らいだ頭に手を置き、生活の跡が見られない広いリビングを見渡した。  そして虚ろな目をしながらソファーに腰を掛け、埃が溜まり出したテーブルを見つめて呟く。 「この家も……もう必要ないな」  幸せそうに家族三人で笑う写真立てを見ながら、大きなため息を吐いた。
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