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カシタの身体中に絡まった縄を二本掴むと、丁寧に蝶々結びする。
「はぃ、可愛い!」とニヘっと笑う。
と、そこへ………
「誰だぁ!!!縄で遊んでる馬鹿どもはぁ!!!!」
矢野を引き連れた土方が乗り込んで来た。
「げ、土方さん」
「げ!じゃねぇ総司!!お前ら、在庫の縄使って何してんだ!」
どうやら矢野と在庫管理していた土方は縄が二本ない事に気付き、探しているうちに「縄を持って隊長方が稽古場に集まってました」という情報を掴んだらしい。
一瞬あちゃーって顔した柚は、「土方さんもやる?」と聞こうとして、やっぱり辞めた。
縄でグルグル巻きになっているカシタの顔を隠し
「副長、屯所に紛れ込んだ者をひっ捕らえました!」
と声をあげた。
まさかの発言に周りはポカン。
「っ!なんだと??門番も居たはずなのに!!……まぁ、よく捕まえた!縄を使ったのも仕方ねぇな。
で、どこのどいつだ?俺の城に入り込んだ鼠は…」
不敵に笑った土方が、皆の影に隠れる人を
チラリと見やる。
「こっの人でぇす!」
柚がトンっとカシタの体を軽く押すと、土方が受け取るように抱きとめた。
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