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なんか、恥ずかしことばっかりだけど、俺はこうして色んな人に見守られて前に進めるんだなって改めて思った。
「ありがとうございます。本当に、心から」
皆が温かく見守ってくれて、いつの間にか俺の腰から手を離していた咲人さんが俺の髪を優しく掬う。
なんかその眼差しがやたらと優しくて参ってしまう。
そんな俺たちに気を利かせてくれたのか、皆はそれぞれ違うことに話しを咲かせ始めた。
「皆優しいですね」
「皆奏の事が好きなんだよ」
咲人さんは今何気なく言っただけかもしれないけど、凄く嬉しかった。
俺だって皆が好きだから、同じように好きになってもらえるって凄い事だ。
でも、それと同時に急激に寂しくなってくるのも事実で、皆の事が大好きだって思えば思う程、離れがたくなってくるわけで。
そんなに頻繁に皆と会ってるわけじゃないけど、この先はホントいつ会えるか分からないから。
あぁ…考えないようにしてたのに。
咲人さんと離れてしまうって事実がここにきて急にのしかかってくる。
会えなくなるって頭では分かってても、心が全くついてこない。
こんな楽しい場で落ち込むのは嫌なのに…。
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