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その後の二人のぎこちないこと。 でも、こうして咲人さんの部屋でご飯を作りながら咲人さんの帰りを待っていると、どうしても通い妻ってフレーズが頭の中にチラチラと見え隠れしてしまってどうしようもない。 いや、本音を言うと、咲人さんがそれを認めてくれたらなってほんの少し思う自分もいるわけで。 咲人さんの帰りを待ってる時間って、俺の中で凄く楽しい時間で、ただいまって帰ってきた時の声のトーンとか、僅かに微笑んだ感じとか、柔らかい雰囲気とか、もう堪らなく愛しい。 それが俺だけの特権で、咲人さんにとっても特別で、もう何だか通い妻でもなんでもイイっす!とか思っちゃうんです。 そんな感じでちょっと暴走気味になったところでガチャガチャっと鍵を開ける音がして、俺はいそいそと玄関の方へと向かった。 「お帰りなさい。お疲れ様」 「ただいま」 まだ作業服姿の咲人さんが俺を見て優しく微笑む。 咲人さんのこのザ・ガテン系っていう作業服姿には最初違和感しかなくて、その見慣れない風貌に暫くは馴染めなかったんだけど、慣れてしまうとまぁかっこいいのなんのって。 きっとスーツ姿も有り得ない程かっこいいんだろうけど、この飾らない格好も凄く素敵だ。
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