僕の可愛い人～犬なの？猫なの？え？鬼なの？～

1.いきなり鬼

カチッ

電気ケトルのスイッチが切れた。

このタイミングかよ、ちょっと遅いよ、と思いながらも僕は２つ並んだコーヒーカップとサーバーにお湯を入れ、残りのお湯はコーヒーポットに入れた。これで少しお湯の温度が下がってちょうどいいんじゃないかな。

カップを温めている間にコーヒーを淹れる。
ドリッパーに紙フィルターをセットし、コーヒーの粉を入れて平らにする。綾瀬のにはミルクを入れるから、少し濃いめにしておこう。

サーバーを温めたお湯を持ってきた水筒に捨て、その上にドリッパーをセットする。

中心から外に向かって円を描くように、ゆっくりコーヒーポットのお湯を注ぐ。縁にはかからないように慎重に。全体が湿ったくらいのところでお湯を注ぐのをやめて30秒ほど蒸らす。

うん、いい感じに膨らんできた。

蒸らし終わったら、また中心から外に向かってのの字を書くようにゆっくりお湯を注いでいく。粉の膨らみをキープしつつ、縁にはかからないように気をつけて二人分のコーヒーを淹れる。