180人が本棚に入れています
本棚に追加
僕は自分のコーヒーをカップに入れて綾瀬の前に座った。
お昼休みはあと10分くらい。
片付けも考えるとのんびりコーヒータイムってわけにはいかないけど、コーヒーのいい香りにゆったりとした気分になる。
綾瀬は僕の作ったクッキーを頬張っている。
ふふふ、さっきの不満そうな表情は消えて嬉しそうな顔になったな、良かった。ナッツたっぷりにしたし、きっと気に入ってくれたよね。
「綾瀬、どう?」
「うん、美味しいよ。ナッツがいっぱいで嬉しい。これ、買ってきたの?」
「違うよ。昨日の夜、僕が作ったんだよ」
「へぇ~、そうなんだ~。大ちゃんすごいね!」
綾瀬はビックリした顔で、でも目をキラキラさせてる。
「綾瀬が気に入ってくれたなら僕は嬉しいよ。作った甲斐があるってもんだ」
「うん、気に入ったよ。また作ってね」
って、また首を右に傾けながら横目で僕を見上げてくる。
ああ、その顔!
その顔で頼まれたら、もう、僕は何でも言うこと聞いちゃいそうだ。
「うん、いつでも」
僕はニッコリ微笑んだ。
最初のコメントを投稿しよう!