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そうやって僕は一方的に親睦を深めていたけれど、そんな日が暫く続いた後のある日、僕がいつものように地下鉄に乗って手すりのところを見ると、いつものように森野君がそこにいた。だけど、様子がちょっとおかしい。いつもより怯えてるみたい。
僕は森野君の前に立って、いつものように手すりを掴み挨拶をした。
「おはよ」
森野君は僕を見上げると途端にホッとしたような表情を浮かべた。
「…おはよ」
今日も消え入りそうな声で挨拶をしてくれた。
僕は森野君の様子が気になり
「何かあったの?」
と聞いた。
森野君はハッとしたような顔をしながらも、フルフルと力なく首を横に振った。
うん、完全に何かあったんだね。
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