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僕は森野君に聞いた。
「森野君はどこの駅から乗ってくるの?」
森野君の答えた駅名は僕の乗る駅より二駅前のものだった。僕は自分の思いつきをそのまま口にする。
「ね、森野君。僕さ、明日からその駅まで行くからホームで待っててくれない?」
二駅くらいなら大したことない。家をちょっとだけ早く出ればいい。
森野君が「え!?」って、すご~くビックリした顔で僕を見上げる。鳩が豆鉄砲を食ったようってこんな感じかな?
あ、犬と猫だけじゃなくて、鳩まで出てきちゃった。
「だってさ、またあいつと一緒の地下鉄になっちゃうかもしれないでしょ?僕も心配だからそうしたいんだけど…ダメかな?」
森野君は戸惑っているみたいだった。
「森野君は迷惑?」
重ねて僕が聞くとフルフルと首を横に振る。
「じゃ、決まりね。明日はホームで待っててね」
僕がニッコリと笑いかけると、森野君も頷いてくれた。
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