1.いきなり鬼

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そう。僕は綾瀬のことが好きなんだ。LOVEの意味で好きなんだよね。 小さな顔の中に絶妙なバランスで納まったパーツ。クリクリッとした黒目がちな大きな瞳に形のいい小ぶりな鼻、ポッテリとして思わず吸いつきたくなるセクシーな唇も、ほんのり色づいた桜色のほっぺも、キューティクルがキラキラと綺麗でサラサラな髪も……全部が好きなんだ。 165センチと男子としては決して大きくはないところがまた僕の腕の中にスッポリと納まるサイズで愛しい。 綾瀬はね、見た目だけじゃなくて中身も可愛いんだよ。 多分…。 きっと…。 まぁ、そんなわけで僕は今日、愛する綾瀬の為に家からコーヒーのためのセットを一式持ってきたんだ。 電気ケトル、コーヒーポット、サーバー、ドリッパー、紙フィルター、コーヒーにミルクとお砂糖、そしてコーヒーカップ。 大きめのスポーツバッグに詰め込んで、エッチラオッチラとね。 自分で言っちゃうけど、僕って健気じゃない?
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