1.いきなり鬼

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なんてことを考えている間にコーヒーができたようだ。 サーバーに二人分のコーヒーができたところでドリッパーを外す。まだドリッパーにはお湯が残ってるから予備のコップの上に載せる。 サーバーを回して味を均等にして出来上がりだ。 手前味噌かもしれないが、美味しそうなコーヒーだ。うん、いい香り。 カップの中のお湯も水筒に捨て、サーバーからコーヒーを入れる。 そろそろ戻ってくるかなぁ。 まぁ、戻ってこなかったら僕が飲もう。 と、その時 バタバタって足音がしたかと思ったら、ガラガラって凄い勢いで視聴覚室の扉が開けられた。 「大ちゃん!!」 「お帰り、綾瀬」 「お帰りじゃないよ!!なんで教室に戻ってこないの?僕を一人にするの?」 「んー?綾瀬がきっとここに戻ってくると思って待ってたよ。 ほら、ちょうどコーヒーもできたよ?ミルクとお砂糖入れるでしょ?ミルク入れると少し冷めると思うから、綾瀬も飲みやすいと思うよ」 僕はそう言いながらお砂糖とミルクをたっぷりコーヒーに入れた。 綾瀬はね、甘いのが大好きなんだ。
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