第1話 既視感

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妙な既視感が起こり始めたのは今年新しく入部してきた藤井 伊吹(ふじい いぶき)を見てからだ。 放課後の教室でぼんやりと頬杖をついている姿をずっと昔に見たことある気がして声をかけてみると、聞いてもいないのに自己紹介を始め手を差し出してきた。 その姿が僕の記憶の中の何かと重なり、手を握ると良くわからない安堵感と焦燥感で胸がぎゅうと苦しくなった。
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