5人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
沢山の小部屋の中には、私達より以前に拉致されて来たらしい女性が、多数監禁されているようだった。
1人ずつ小部屋に入れられる前に私達は、60前後の女に女性自身を調べられ、入れられる部屋を指定される。
「此奴は処女。
此奴は遊んでいるね、否処女。
此奴も否処女。
あ!?此奴は妊娠しているよ、あと2~3ヵ月で出産ってところかね?」
女が私の顔を覗き込む。
小部屋の中に入れられ手錠足錠をつけられ、手錠足錠から伸びる鎖により、壁に繋がれる。
小部屋は防音になっていて、他の部屋の音は殆ど聞こえない。
だけど、私達を拉致した一家の人間が部屋に出入りするとき、他の部屋から、悲鳴や哀願する声が聞こえて来る時があった。
生徒達は一家の男達に犯されているようだが、私は妊娠しているお陰なのか、今の所乱暴されていない。
1日に2回ある食事は、大鋸屑や藁が混じったパンにサラダ、何の肉か分からないけど固い肉と野菜の不味いごった煮、それに水が2リットルとミルクがコップ1杯。
ただ、10日から20日の間隔で出るシチューは絶品。
肉も柔らかく、一流レストランの料理長が作る料理と大差ない美味しさ。
この先が見えない監禁生活の中で、シチューを食べられる幸せだけが、心の支えになっている。
拉致されてから約3ヵ月、臨月を迎え私は出産した。
子供を抱くことは許されず、生まれたばかりの子供はどこかに連れていかれる。
最初のコメントを投稿しよう!