第1章

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沢山の小部屋の中には、私達より以前に拉致されて来たらしい女性が、多数監禁されているようだった。 1人ずつ小部屋に入れられる前に私達は、60前後の女に女性自身を調べられ、入れられる部屋を指定される。 「此奴は処女。 此奴は遊んでいるね、否処女。 此奴も否処女。 あ!?此奴は妊娠しているよ、あと2~3ヵ月で出産ってところかね?」 女が私の顔を覗き込む。 小部屋の中に入れられ手錠足錠をつけられ、手錠足錠から伸びる鎖により、壁に繋がれる。 小部屋は防音になっていて、他の部屋の音は殆ど聞こえない。 だけど、私達を拉致した一家の人間が部屋に出入りするとき、他の部屋から、悲鳴や哀願する声が聞こえて来る時があった。 生徒達は一家の男達に犯されているようだが、私は妊娠しているお陰なのか、今の所乱暴されていない。 1日に2回ある食事は、大鋸屑や藁が混じったパンにサラダ、何の肉か分からないけど固い肉と野菜の不味いごった煮、それに水が2リットルとミルクがコップ1杯。 ただ、10日から20日の間隔で出るシチューは絶品。 肉も柔らかく、一流レストランの料理長が作る料理と大差ない美味しさ。 この先が見えない監禁生活の中で、シチューを食べられる幸せだけが、心の支えになっている。 拉致されてから約3ヵ月、臨月を迎え私は出産した。 子供を抱くことは許されず、生まれたばかりの子供はどこかに連れていかれる。
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