『 夏の夕焼け 』

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「君のじゃないの? じゃあ、誰のボール?」 「外で遊んでいた “ 誰か ” 。いつも、庭の中に入ったボールを取りには来ないんだ」 屈み込んで門の下から 手でそれを通りに押し出している。 龍之介は その様子を黙って見ていたが 「ひょっとして、今までもずっと、そうやってボールを外に出してあげていたの?」 一つずつ外に出しながら 「まあね。…本当に世話が焼ける。無駄遣いさせない為だよ」 圭一郎は しゃがんでいた姿勢から 立ち上がった。「お金は無限にあるものじゃないのにね…」
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