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「それはね。小湊さんがものすご~く往生際が悪くて…」
木の側に立っている龍之介が口を開く。「…その間、機体はゆっくりと動いていてさ。おまけにその下にはケイくんとこの広ーい敷地があったから…かな?」
「ああ。俺たちもほとんど怪我しなかったしな」
「はい。とっても怖かったですけど」
声のする方に視線を移すと
押水と結も普通にそこに立っている。
美沙は座り込んだまま
「だけどわたし、木に落ちたのよ?」
微妙な顔をしている。
「君が飛び降りた時ーー」
それに対し
「一旦、敷地目指して降りていた機体は、君が早く飛び降りなかったために、再度、上昇していた最中だったようだ」
「小湊さんが木の上に落ちた後、また降り始めたからボクらはベランダに飛び移ることができたんだけどね」
黄道と圭一郎の清々しい顔。
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