『 落ちた美沙 』

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目の合った押水は 「…俺は、一応、使い方ぐらいは知っているけれど…実際に飛び降りたことはないかなぁ…」 「わたしは全然ないわよ!」 結の返事を聞いて 「……」 美沙はうなだれた。 「君はどこまでもヌケているんだな」 溜息混じりに黄道が言う。「だいたい…飛行中のヘリコプターのドアがあんなに簡単に開くと思うか? 気圧というモノがあるだろう」 「…気圧…?」 首を傾げている美沙に 「気圧っていうのはさ。空気が物を押す力のことだって前に習った気がするんだけど?」 圭一郎の返答。 「押す力?」 さらに美沙は首を傾げていて 「うん。飛んでる時のヘリコプターとか飛行機の中って、外と比べて気圧が高くなってるみたいなんだ。つまり、空気の力でぎゅーっと中と外が押し合っているような感じ? よく説明できないんだけど。…簡単にドアを開けることはできないんじゃないかな…?」 考えながら圭一郎が説明している。
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