『 夏の夕焼け 』

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「ひっどいなぁ…」 圭一郎は、野球ボールを拾っては 門に向けて投げている。 龍之介は 圭一郎の持っているサッカーボールを手に取ると 「なにしているの?」 再度、聞いた。 「それに、なに? このボールの数」 圭一郎は 無言で他のサッカーボールを手に取る。 「言ってよ。君ってひとりっ子だろ? こんなにボールって必要なものなの? 庭が広いから?」 「お兄さんしつこいな。しつこい男は嫌われるよ」 今度は 持っていたサッカーボールを 門に向けて蹴った。
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