たべもののいくさき

2/11
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
これは、平凡な家庭に生まれた女の子の話。 女の子の名前は、かりん。いつも笑顔が絶えない、優しい八歳の子どもです。 「かりん、朝ごはんができたわよ」 「はーい」 毎朝お母さんの呼び声で、かりんは部屋から出ます。もう一人で寝れるし、着替えや髪だって結べます。 お気に入りの花柄のワンピースをきれいに伸ばしながら椅子に座ります。並べられたお皿を見て、思わず「うっ」と声を漏らしました。 「お母さん、ピーマン......」 「残したらダメよ」 「え~......」 今日の朝ごはんは、食パンと目玉焼き、そして端の方に寄せられたピーマンです。 かりんは、ピーマンが大嫌いなのです。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!