たべもののいくさき

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「例えばこの果物は痛んでしまってるだろう、ほらここにキズがある」 「うん。じゃあ、これは? このお野菜はキズがついてないよ」 「それは葉っぱのところが少し茶色くなっているだろう。それは腐りかけている証拠なんだ。食べたらお腹を壊ちまう」 「そっか……」 かりんには、何が駄目で何が良いのかわかりませんでした。 「この箱の中に入ってるみんな、可愛そう……」 「どうして、そう思うんだい?」 「だって、折角育ったのに捨てられちゃうんだよ」 「そうだなあ、でも仕方ないことなんだ。おじさんも悲しいけれど、お店に長く置いとくほど食べ物は駄目になっちまう」 おじさんは眉を下げて言いました。
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