愛すべき熱

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「茅萱」 吐息に溶けたような声が、自分を呼ぶ。この花がどんなつもりであったとしても、どんな毒を孕んでいたとしても構わない。 「もう……」 「え?」 「早く、しろ」 「……っ、うん」 茅萱は着ていたものを全て脱ぎ去ると、柊の脚を優しく折り曲げた。先程指で拡げた場所が、しっとりと濡れている。自身をなじませるように宛がうと、入口が微かに開く。 「入れるよ……?」 「ん……」 彼の中へと入っていくにつれ、熱く包み込まれる感触に全身が震えた。
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