101人が本棚に入れています
本棚に追加
結構、今日という日を待ち望んでたかもしれない。
それは、今日が俺の誕生日だからという事よりは……誕生日だから俺の恋人である鈴木先輩に、言う事を聞いて貰えるかもしれない。
そんな期待から、待ち望んでいたと言う方が正しい気がする。
3月14日。
それが俺の誕生日だ。
そう、この日の為に俺は、親を1泊2日の旅行に行く様に仕向けた。
そして、先輩には耳にタコが出来るほど、この日が俺の誕生日だと何度も言った。
だから、先輩はきっと……俺の為にプレゼントなんかを用意してくれてる筈だ。
けど、俺はプレゼントが欲しい訳ではない。
だから、誕生日だといってる時に、プレゼントはいらないって言おうと思ったけど、それではあまりにも期待しすぎな気がして、あえて言わなかった。
俺が誕生日に欲しいのはプレゼントでは無く、先輩にお願いを一つ、聞いて欲しいだけなんだ……。
――ピンポーン
き、来たっ! 先輩だっ!!
「は、はいっ!!」
返事をして、勢いよくドアを開ける。
「あ、オレ……」
するとドアの前にはやはり、愛しの先輩が立って居た。
最初のコメントを投稿しよう!