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も、もしかして……機嫌悪くさせたと思ったけど、本当は逆?
「オイッ!」
「な、なんですか?」
笑ってくれたと思ったら、今度は怒ってる……何でだろう?
「お前馬鹿か!? オレは水くれって言ったのに、何で手を握ってくんだよ!」
「あ……」
しまった……つい、綺麗な先輩の手が目に入ったから、握ってしまったんだ。
「す、すいません……」
「それからさ……お前、何か企んでない?」
ギクッ……!!
思わず冷や汗が出る。
「い、いやだな~。俺が、何か企んでる様に見えます~?」
「あぁ……じゅーぶん」
疑いの眼差したっぷりで、先輩が俺に顔を近づけてくる。
ヤバイな……もう、バレちゃったかな~?
「せ、先輩……顔、近づけないで下さいよー」
「何で?」
「だって、そんな綺麗な顔、近づけてこられたら……キス、したくなりますもん」
素直に言った後、頭に痛みがやってきた。
「いったぁ……。な、何するんですか!? 先輩っ」
「アホかお前はっ! んな事言ってんなよ!!」
うぅ……切ない……。
「もう、いい。お前には頼まねぇ。水ぐらい、自分で入れるわ。グラス、借りるぞ~」
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