にゃんにゃん計画

【１】

「ど、どうぞ……。後、水は冷蔵庫に入ってますんで……」

「おう、さんきゅー」

やっぱり先輩だ。

ラブな雰囲気に持って行こうとしたのに……全然ダメだ。

「あれ？　オレンジジュースあるじゃん！　なぁ、貰ってもいい？」

「勿論、どうぞ」

けど、そんな先輩……今日も素敵だ！

「んー！　やっぱ、喉渇いてる時に飲むと、いつもより美味しーなっ！」

「先輩。そんなに美味しいですか？」

そんな満面の笑み、ジュースなんかで浮かべちゃって……。

「あぁ。お前も飲めば？」

「俺は……先輩が飲んでるのが、欲しいです」

「……自分で入れろよ」

「い、嫌ですよ！　先輩のが、欲しいんですっ！！」

俺が必死に言ったら、先輩はいつも折れてくれる。
(要求内容によるけどね？)

だから、今のもきっと……グラスを渡してくれる筈だ。

「……分かったよ。はい」

「わーい、どうも有難うございます」

ほら、やっぱりね？

そして、俺は先輩からグラスを受け取ろうとした。

けどその瞬間に、俺の頭の中で突然閃いたので、実行することにした。